Poolとは:投資とカード決済を一本化した新感覚FinTechサービス
Pool(プール)は、株式会社カンムが運営する「投資×クレジットカード」を一体化したFinTechサービスです。2022年6月のリリース以来、「値動きなく年利2%(税引前)が期待できる資産運用」と「カード決済1%キャッシュバック」を同一アプリで完結できるシンプルさが支持を集めています。
投資した資金がそのままカードの利用枠として使える独自の仕組みは、資金を遊ばせることなく、日常の決済と資産運用を同時に回せる点が最大の強みです。
投資の仕組み:匿名組合型ファンドへの出資
Poolの資産運用は、金融商品取引法に基づく匿名組合スキームで設計されています。現在提供されているのは「バンドルカード事業ファンド」で、カンムが運営するプリペイドカード「バンドルカード」の決済売上を原資として分配金が支払われます。
ファンド基本スペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 予定利回り(税引前) | 年率2.0% |
| 運用期間 | 2ヶ月 |
| 投資可能額 | 1,000円〜5,000万円 |
| 元本償還・利益分配日 | 運用終了月の翌月初め(原則2営業日以内) |
| 担保・保証 | なし |
| 中途解約 | 原則不可 |
資金の使途
出資金は、バンドルカードの「リアルプラスカード」を保有するユーザーが後払いチャージを利用した際に、後払い事業者からカンムへの入金が完了するまでの間、Visa加盟店での決済代金に充当されます。つまり、バンドルカード運営会社(カンム)が一時的に立て替える決済資金を、投資家が供給する構造です。
なぜ年利2%が実現できるのか
年利2%という水準は、後払い決済事業の収益構造によって実現されています。バンドルカードの「後払いチャージ(ポチっとチャージ)」は、ユーザーが後払い事業者からチャージを受け、翌月以降に返済する仕組みです。カンムはユーザーの決済代金を先に立て替え、後払い事業者からの回収を待ちます。
この「立替→回収」サイクルの運転資金を投資家が供給し、その対価として年利2%相当の分配金を受け取ります。バンドルカードの決済による売上が分配金の原資であるため、株式市場の値動きとは切り離された安定した利回りが期待できます。
銀行預金と比べると一目瞭然
Poolの魅力がもっとも伝わるのが、銀行普通預金との比較です。
| 比較項目 | Pool | 大手銀行預金 |
|---|---|---|
| 年利(税引前) | 2.0% | 0.2%(2025年3月時点・都市銀行3行平均) |
| 元本保証 | なし | あり(預金保険制度により元本1,000万円までとその利息が保護されます) |
| 最低投資額 | 1,000円 | 制限なし |
利回りは銀行普通預金の10倍。元本保証がない点は銀行預金と異なりますが、後述する全41ファンド正常運用率100%という実績は、リスクを検討するうえでの参考になります。
全41ファンド・正常運用率100%の実績
Poolは2025年12月末時点で運用が終了した全41ファンドにおいて、正常運用率100%を達成しています。すべてのファンドで出資持分の全額返還および予定分配金の支払いが完了しており、リリースから3年以上にわたって安定した運用実績を積み上げています。また、2025年10月には累計投資金額が100億円を突破。公式サイトでは「元本の毀損が起こりかねないような状況においては投資の募集を中止する等し、お客様財産の保護に努めます」と明記されており、異常時の対応方針も示されています。
なお、過去の実績は将来の運用成果を保証するものではありません。
MUFGグループ参画という信頼の裏付け
運営元の株式会社カンムは、2022年12月に三菱UFJ銀行と資本業務提携を締結しています。フリークアウト・ホールディングスなど既存株主からの株式一部譲渡を経て、MUFGグループの一員として参画しており、メガバンクとの連携がPoolの信用力を補完しています。
運営会社:株式会社カンムについて
Poolを運営する株式会社カンムは2011年創業のFinTech企業です。主力サービス「バンドルカード」は2016年9月にサービスを開始し、2026年1月に1,400万ダウンロードを達成。多くのユーザーに支持されています。
バンドルカードの利用者数・決済量が多いほど、ファンドへの分配原資となる収益が積み上がる構造のため、事業規模の大きさは投資家にとっても直接的な安心材料になります。
企業成長面では、デロイトトーマツが発表している「日本テクノロジー Fast 50」売上高成長率ランキングにおいて、2019年1位・2020年2位に続き2021年も3年連続でランクイン。2022年12月のMUFGグループ参画後も事業拡大を続け、2024年9月には三菱UFJ銀行アプリ「スマート口座開設」との連携、2025年3月にはローソン銀行との提携によりバンドルカードへの現金チャージにも対応しています。
八巻代表は今後の展望について次のように語っています。「金融というものを意識せずに、結果的に金融サービスを使っている、という状態を作りたいと考えています。お金が自動でやり取りされるようなインフラを整えることで、個人の資金効率は大きく向上するはずです。」
「難しいことは考えたくないけど、お金はちゃんと増やしたい」——そう思っている人にとって、Poolはかなり現実的な選択肢になりうる。投資の知識がなくても、アプリに入金してカードで買い物するだけ。気づいたら運用されていた、くらいの感覚で使えるのは素直に便利だ。
最大の差別化ポイント:投資しながらカードが使える
Poolが他の投資商品と一線を画す最大の特徴が、運用中の資金をそのままクレジットカードの利用枠として使える仕組みです。
- 入金・投資した金額がそのままカードの利用枠になる
- カード決済では利用金額の1%をキャッシュバック
- バーチャルカードは発行手数料・年会費ともに無料
多くの投資商品は運用中に資金を別の用途に使うことができませんが、Poolでは投資元本が同時にカード枠として機能します。普段の生活費・サブスク・ネット通販の決済をPoolカードに集約すれば、資金を運用しながら1%のキャッシュバックも同時に積み上げられる二重の効率性が生まれます。
なお、ウォレット残高が不足した状態でカード決済を行うと、不足額相当分の投資元本が自動的に相殺される仕組みがあります。カード利用時は残高管理を意識しておくとスムーズです。
規制・法的枠組み・セキュリティ
Poolは金融商品取引法に基づき適切に登録・運営されています。
- 第二種金融商品取引業:関東財務局長(金商)第3321号
- 加入協会:一般社団法人第二種金融商品取引業協会
- 指定紛争解決機関:特定非営利活動法人 証券・金融商品あっせん相談センター
セキュリティ面では、国際基準であるPCI DSSの準拠認定を取得しており、不正アクセスからユーザー情報を保護しています。また、出金時には登録口座の名義照合を実施し、2段階認証によって第三者による不正ログインを防止する体制が整っています。
申込から償還までの流れ
Poolのファンドは毎月新しいファンドが募集されます。投資フローはシンプルで、アプリだけで完結します。なお、口座開設は最短1営業日で完了します。
- 募集期間(前月中):アプリからファンドに投資申込。運用開始日までであればキャンセル・金額変更が可能
- 運用開始(翌月1日):ウォレット残高から投資資産へ資金が移行し、2ヶ月間の運用が開始される
- 運用中:投資金額はクレジットカードの利用枠としても機能
- 償還(運用終了月の翌月初め・原則2営業日以内):元本+予定分配金が指定銀行口座へ出金される
- 再投資 or 出金:次のファンドへ再投資、または銀行口座への出金を選択
再投資を繰り返すことで複利効果が期待でき、以下は税引前・予定利回り2.0%での複利シミュレーションです(運用成果を保証するものではありません)。
| 投資元本 | 6ヶ月後(3回運用) | 1年後(6回運用) | 2年後(12回運用) |
|---|---|---|---|
| 50万円 | 50万5,017円 | 51万84円 | 52万371円 |
| 100万円 | 101万34円 | 102万168円 | 104万742円 |
| 300万円 | 303万102円 | 306万504円 | 312万2,226円 |
2ヶ月複利のため、単純な年利2%より若干高い実効利回りが期待できます。なお、分配金には源泉徴収が適用されるため、手取りベースでは上記より低くなります。
税務上の取り扱い
Pool(匿名組合型ファンド)の分配金は、株式投資や投資信託と税制が異なります。事前に把握しておくと確定申告の際に迷いません。
課税区分
| 項目 | Pool(匿名組合分配金) | 株式・投資信託の配当・分配金 |
|---|---|---|
| 所得区分 | 雑所得(総合課税) | 配当所得(申告分離課税選択可) |
| 源泉徴収税率 | 20.42% | 20.315% |
| 確定申告 | 原則必要 | 特定口座(源泉徴収あり)なら不要 |
| 損益通算 | 不可 | 株式・投信間で可能 |
| 税率上限 | 最大55%(住民税込・所得により変動) | 一律20.315%(申告分離の場合) |
実務上のポイント
- 分配金受取時に源泉徴収20.42%が差し引かれた金額が入金される
- 給与所得者で雑所得(分配金含む)が年20万円以下の場合、所得税の確定申告は不要(ただし住民税の申告は別途必要)
- 最終的な税負担は個人の課税所得によって異なり、住民税も別途課税される
- 税務申告の詳細は国税庁ウェブサイトまたは税理士にご確認ください
利用条件・手数料
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 対象年齢 | 18歳以上75歳未満 |
| 居住要件 | 日本国内に居住していること |
| 新規登録 | 無料 |
| バーチャルカード発行 | 無料 |
| リアルカード発行 | 980円 |
| 出金手数料 | 無料 |
こんな人にとくにおすすめ
- 普通預金・定期預金の利率に物足りなさを感じているが、株式や投資信託の価格変動リスクは取りたくない
- 日常的にカード決済を多用しており、投資枠をそのまま決済枠として活用したい
- 2ヶ月単位の短期で資金を動かしたく、長期拘束を避けたい
- 少額(数万円〜数十万円)から運用を始めたい投資入門層
- 余剰資金の短期置き場として、普通預金より高い利回りを求めている
事前に確認しておきたい方
- 元本保証・預金保険制度による保護を重視する方
- 確定申告の手続きを避けたい方(分配金は雑所得として確定申告が必要になる場合があります)
- 2ヶ月間の資金拘束が難しい方
- 株式・投信と損益通算して税負担を最適化したい方
知っておきたいリスク
- 元本保証なし:担保・第三者保証も設定されておらず、カンムの債務不履行等が生じた場合には元本割れの可能性がある
- 中途解約不可:2ヶ月の運用期間中は解約できない(クーリング・オフ制度の適用なし)
- 分配金の変動リスク:予定利回りはあくまで期待値であり、保証された数値ではない
- カード利用による元本自動相殺:ウォレット残高が不足した状態でカード決済を行った場合、不足額相当分の投資元本がカンムに自動譲渡・相殺される
資金保全について
Poolへの出資金は預金保険制度の対象外です。匿名組合スキームの性質上、カンムが経営破綻した場合には出資金の全額回収が困難になる可能性があります。
総評:定期預金では物足りない人の「ちょうどいい」運用先
Poolが最もフィットするのは、「定期預金の利率では満足できないが、株式投資は怖い」という層です。ゆうちょ銀行の定期貯金(1年以上1年6ヶ月未満)が年0.340%(2026年6月時点)という水準において、年2.0%という利回りは体感差のある上乗せです。値動きなく、アプリで2ヶ月待つだけというシンプルな運用フローは、投資初心者でも始めやすい設計になっています。
さらに「投資しながらカードで使える」という他にない特性は、日常的にカード決済をこなす人にとって実質利回りを底上げする器用な運用先です。生活費・サブスク・ネット通販の決済をPoolカードに集約するだけで、年利2%の運用リターンに加えて1%のキャッシュバックが同時に積み上がります。
MUFGグループへの参画と全41ファンド正常運用率100%という実績は、同種の匿名組合型ファンドの中で際立った信頼性の裏付けです。少額1,000円から始められる手軽さと、上限5,000万円まで対応できるスケール感は、入門層からまとまった資金の短期運用まで幅広い使い方に応えます。
よくある質問
Q. ファンドへの申込後にキャンセルはできますか? 運用開始日(毎月1日)の前日までであれば、アプリ上でキャンセルおよび金額の変更が可能です。運用開始後は中途解約不可となります。
Q. 複数のファンドに同時に投資できますか? 募集中のファンドは現状1本のみです。ただし、運用中のファンドを保有しながら次のファンドを申し込むことは可能で、償還タイミングをずらしながら継続運用する設計が可能です。
Q. 分配金はいつ受け取れますか? 運用終了月の翌月初め(原則2営業日以内)に、登録済みの指定銀行口座へ元本と分配金が出金されます。口座名義は「カ)カンム/プール」で振り込まれ、金融機関によっては反映までに時間がかかる場合があります。次のファンドへ再投資する場合は、別途申込操作が必要です。
Q. Poolカードは通常のクレジットカードと何が違いますか? 通常のクレジットカードは「先に信用を供与し、後から返済する」モデルであり、与信審査と信用情報機関への照会に基づいて利用枠が設定されます。一方、Poolカードは「先に入金・投資した資金をそのまま利用枠に充てる」事前入金型の仕組みです。利用枠は「ウォレット残高+投資金額」で決まるため、信用スコアに依存しません。ただしアカウント開設には本人確認(身分証確認)が必要です。支払いは月末締め翌月末払いで、ウォレット残高から自動引き落としされます。
Q. 投資額に上限・下限はありますか? 1ファンドあたりの投資可能額は1,000円以上5,000万円以下です。1,000円単位で金額を指定でき、少額から始めてファンドごとに金額を変更することも可能です。なお、上限5,000万円は1ファンドあたりの制限のため、継続的に再投資する場合も同様の上限が各ファンドに適用されます。
引用元
- Pool 公式サイト:https://pool-card.jp/
- Pool ファンド一覧ページ:https://pool-card.jp/investment/
- バンドルカード事業ファンド詳細ページ:https://pool-card.jp/investment/vandle/
- 株式会社カンム プレスリリース「Pool リリース」(2022年6月15日):https://kanmu.co.jp/news/20220615-pool/
- 株式会社カンム プレスリリース「バンドルカード1,400万ダウンロード突破」(2026年1月6日):https://kanmu.co.jp/news/20260106-14million-downloads/
- 株式会社カンム プレスリリース「カンム、三菱UFJ銀行と資本業務提携、グループへの参画を発表」(2022年12月27日):https://kanmu.co.jp/news/20221227-mufg-alliance/
- 株式会社カンム プレスリリース「三菱UFJ銀行アプリ『スマート口座開設』とバンドルカードとの連携開始」(2024年9月13日):https://kanmu.co.jp/news/20240913-vandle-mufg-application/
- カンム テックブログ「Poolにおける残高管理の設計」(2025年1月):https://tech.kanmu.co.jp/entry/2025/01/11/214433
- 株式会社カンム プレスリリース「Pool 累計投資金額100億円突破・初回投資キャンペーン」(2025年11月10日):https://kanmu.co.jp/news/20251110-pool-campaign/
- 株式会社カンム プレスリリース「Pool 口座開設最短1営業日に短縮」(2024年5月29日):https://kanmu.co.jp/news/20240529-pool-polarifyekyc/
- venture.jp インタビュー記事「金融を意識させない自然な体験をつくる」(2026年6月10日):https://venture.jp/news/2026/06/10/21895/
※本記事は公開情報をもとに作成した情報提供を目的とする記事です。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。
